【メディーの成功はひとえに役者陣の演技の「間(ま)」にかかっているといっていい。スピーディーな展開のなかに心地よいテンポがあり、笑いが大波小波のように次々わき起こる-。

江戸元禄期。品川の遊廓を舞台に、美人で凄腕できっぷのいい取り立て稼業のお春(黒木瞳)と、彼女を巡る人間模様を描いた「取り立てやお春」(作・演出、マキノノゾミ)は、気持ちのいい和物のウエルメード・コメディーだ。マキノが江戸落語「居残り佐平次」をもとに自身の劇団M・O・P・に書き下ろした「ちゃっかり八兵衛」を、自身で大劇場用に大幅に改訂した作品。

愛する歌舞伎役者の襲名資金のため、金もないのに品川の遊廓に居残り続ける弥七(石黒賢)から、あの手この手で20両取り立てようとするお春。そこへ上方から謎の父子(錦織一清、中村隼人)がやってきて-という展開で、この父子というのが、大石内蔵助とその息子・主税というのがこの作品のミソ。

そこに、盗賊のにせものになりすます気の弱い遊廓の主人(渋谷天外)、しっかり者の女房(波乃久里子)、心中願望の強い売れない遊女(嘉島典俊)はじめ、遊廓に出入りするさまざまな人間たちの悲喜こもごものドラマが次から次へと繰り広げられてゆく。

ヒロインの黒木が弾けた演技と江戸前のきっぷ、キュートな愛らしさで舞台を引っ張る。胸のすくような啖呵(たんか)を切ったかと思うと切ない女心も見せ、コメディエンヌの魅力全開だ。石黒も江戸前の男の雰囲気をうまく出して好演。いいかげんさの中に刹那(せつな)に生きる男の色気もある。錦織、隼人は遊び好きの父、くそまじめな息子という正反対のキャラクターが楽しい。

それにしても、元宝塚の黒木、映像出身の石黒、アイドル出身の錦織、歌舞伎の隼人、新派の波乃、松竹新喜劇の天外、大衆演劇の嘉島、新国劇出身の笠原章…と実にバラエティーに富んだキャスト陣。それぞれが存在感を際立たせながらも調和の取れたチームワークで笑いをふくらませた。27日まで。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/entertainment/snk20110322116.html

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